目次 1.アクティブ・ラーニングってなに? 2.アクティブ・ラーニングの現状は? 3.現行の試験制度とはかみ合っていない 4.アクティブ・ラーニングはあくまで補助的に運用する 5.アクティブ・ラーニングと座学は表裏一体である 6.授業の大切さを疎かにしてはならない
今、巷を騒がせている新たな勉強方法があります。
今までのように机に向かって
ひたすら暗記をしていくのではなく
目を、耳を、身体を、5感全てを使って
知識を身に着けようという方法です。
それをアクティブ・ラーニングといいます。
そんなアクティブ・ラーニングの正しい方法や
メリット・デメリットを紹介します。
目次
アクティブ・ラーニングってなに?
アクティブ・ラーニングとは
active:行動的な、活発な
learning:学ぶこと
つまり、「行動的に学ぶこと」を
アクティブ・ラーニングといいます。
例えば英語だと、今までのように教科書から
文法・単語・例文を学んでいくのではなく、
ネイティブの講師や、英語を話すことができる先生方と、
実際の会話を通じて、英語を体感的に学んでいこう
という試みです。
そもそも勉強というのは自分の感覚と経験で
培っていくのが本来の姿です。
「旅行に行った場所の歴史を知る」
「買い物に行ったとき、好きな服が割引されているとき
(実際の価格はいくらなんだろう?)と考える」
と、このように日常生活を通して
色んな知識を身に着けていくのです。
「自ら必要な知識を体得していく」
これが勉強の本来の姿であり
正しい形なのです。
それがアクティブ・ラーニングと名前を
変えられて改めて世に放たれた、ということです。
アクティブ・ラーニングの現状は?
最近は小学校や中学校でも積極的に
アクティブ・ラーニングの導入を進めています。
例えば小学校の英語の授業です。
外国人の先生が教壇に立ち、
音楽や会話を通してアクティブに英語を学んでいきます。
子どもたちの顔は笑顔で溢れ、
和気あいあいと授業が進められます。
しかし、このアクティブ・ラーニング、
ここまでの話を聞くと、良い点しかなさそうです。
私自身、アクティブ・ラーニングという
勉強方法には賛成です。
目と手だけを使う勉強方法よりは
全身を使って勉強するほうが
効率的なのは明白だからです。
しかし、すべての物事には良い点と悪い点があります。
アクティブ・ラーニングにも悪い点が潜んでいるのです。
その悪い点とはいかなるものでしょうか。
現行の試験制度とはかみ合っていない
アクティブ・ラーニングは楽しんで学ぶという点では
子どもたちにとっては、とても良いです。
しかし先生にとっては悩ましい問題があります。
それは「どう点数をつけていくか」という問題です。
楽しければ高得点をつけるというわけにはいきません。
成績を付ける上では、ある程度の平等性が必要です。
それは「点数」という形でしか表すことができないのが現状です。
そうなると、現行の試験制度を変えていくのは
相当難しい問題になります。
つまり、アクティブ・ラーニングは点数化しづらいという
最大のデメリットがあるのです。
アクティブ・ラーニングはあくまで補助的に運用する
アクティブ・ラーニングは楽しみながら
物事を理解するという点でとても効果的です。
但し、それだけで学ばなければならないことを
全て消化できるかといえば、それは不可能です。
例えば、アクティブ・ラーニングの代表的な科目といえば
英語ですが、会話やダンス、音楽などに乗せて
より体感的に英語を理解していくことができます。
しかしそれだけでは文法的な理解は進めることができませんし、
文部科学省の指定する履修内容を中学校3年間で
理解しきることは出来ません。
それではアクティブ・ラーニングをどう活用するのか。
アクティブ・ラーニングを活用する最も良い方法は、
通常の授業をしっかりと理解していくということです。
アクティブ・ラーニングと座学は表裏一体である
順序としては
①授業で基本をしっかりと理解
↓
②座学で理解した内容を、アクティブ・ラーニングにより
実践に移し、より深い理解を得る
↓
③アクティブ・ラーニングで得た知識を
授業でさらに深めていく
といったように二人三脚のように
実践していくのが最も効果的な方法です。
授業の大切さを疎かにしてはならない
以上のように、アクティブ・ラーニングをより効果的に
運用していくためには、通常の授業の受け方と
基本的知識の理かいが必要です。
アクティブ・ラーニングはあくまで補助的な、
得た知識を実践する、スポーツで言うところの
”練習試合”と考えるとよいでしょう。
スポーツの醍醐味は試合です。
その試合で結果を残し、
現状の自分の良い点・悪い点を見つめなおす。
そして基本のトレーニングに戻っていく。
これがまさにアクティブラーニングと
通常の授業との関係なのです。
どちらに偏っても効果は薄れます。
表裏一体、どちらも正しく運用していくと
とても効果的であるといえるでしょう。