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教育にお金は必要?塾講師が考える授業料

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塾講師をしていると常々考えてしまうことが、お金のことです。
保護者の方から授業料をいただくたびに頭が下がる思いです。
私の勤めている塾は、5教科のみの集団授業、
1日3時間、週3回(テスト前は5回)の固定授業数で運営しています。

授業料は大体2万弱です。
子どもの教育のために2万円!
本当に保護者は頑張ってますよね。ありがたいです。
だからこそ一切手を抜けないなぁと思います。

ところで、最近はコマ数を極端に少なくし、
低価格で授業を提供する個別指導塾が目立ちます。

それらを見ていると、教育にはどれだけお金をかけるべきか
ということをいつも考えてしまいます。

そこで今回は、授業料が安い個別指導塾を選ぶ際に見るべきポイントを考えていきます。
ぜひ参考にしてみてください。

1.効果的な授業とは

私たちフルタイムで授業を行っている講師にとって、
効果的な授業とは、次の授業をしたときに
前回の授業の内容がしっかり反映されるような授業
だと思います。

例えば、数学なら月曜日に四則計算を教えたとします。
そしてその内容を次の授業でどれくらい覚えているか、
ということをよく観察しています。

私の勤めている塾であれば、中学生は週3回の授業ですから、
月曜日に授業をすると、次の授業は、火曜日か水曜日です。
多くても2日間空くようなことはありません。

1日授業のない日を挟んだだけでも、ある程度
忘れている生徒がいるのは事実です。

しかし、たった1日ですから、少し背中を後押しして
あげれば、「あっ」と思い出してくれる生徒が大半です。

この「思い出せる」ということがとても大切で、
自発的にしろ、受動的にしろ、「思い出せる」ということは
なんとか頭にとどまっている証拠です

*もちろん直接的に教えてしまうのはいけません。

これを繰り返していくことで、公式や、暗記部分が
定着していき、理解につながるのです。

短いスパンで繰り返していると、最初は難しかったことでも
だんだんと当たり前になってくるのです。

ですので、月曜日や火曜日に新たな単元を行い、
その週のうちに2回復習する、という繰り返しで
内容を定着させていきます。

そして土日は頭の休憩、というわけです。

これが効率的な授業であり、私たちの日々行っている、
あるいは理想とする授業なのです。

ところが、週1回や2回の授業だと、間隔が
遠すぎてしまい、この「思い出す」という作業が
疎かになってしまいます。

そこで、塾側が提案するのが「宿題」です。

しかしこの「宿題」、実はかなりクセものなんです。

2.コマ数の少ない塾のデメリット

コマ数の少ない塾では、次の授業まで間隔が
空いてしまう代わりに必ず宿題、あるいは課題を
提案してきます。

私は塾講師として勤めていますが、
「宿題」には反対です。

もちろん「宿題」の必要性はわかっていますし、
有益な部分があるのは把握しています。

しかし、塾が「宿題」を出すのは、
塾側の責任の放棄だと思うのです。

宿題は誰もが課せられたことのある当たり前の存在です。
誰もが知っているからこそ、その存在を
しっかりと認識しなおさなければならないのです。

そもそも塾に来る生徒たちは家庭学習が上手くいかなかったから
入塾を決めた、という生徒がほとんどです。

家で勉強をしないから…という理由にも関わらず、
家で勉強をさせるという提案をするのはいかがでしょうか。

もちろん、学力向上のために積極的に宿題をしたいという生徒に
与える分には良いと思います。

しかし、「宿題」をしてくる前提で、学力を上げるという塾の方針が
あるとするならば、それは大きな間違いだと言えます。

宿題は「やっても、やらなくても良い」、ものでなければ
塾として学力を上げるという責任を果たしたとは言えないでしょう。

コマ数の少ない個別塾では、宿題を出して、授業の間隔を
埋めようとしますが、家庭学習ができなかった生徒が、
しっかりと宿題ができるでしょうか。

ほとんどは、よくわからない問題が多い、
正解かどうか不安だから、手を出せない、
明日は塾だ!宿題やってない!答えを写そう!
とか、そんな事態に陥っていると思います。

これでは、せっかくの授業の意味がありません。
目の前で生徒たちの勉強している姿を
しっかりと見守る、これも塾講師の仕事の一つだと思います。

授業を聞いている姿や、教わっている姿だけでなく、
自発的に問題に向かっている姿こそ、まさしく「勉強」です。

この時間が非常に少なくなる、というのは、コマ数の少ない塾の
大きなデメリットだと思います。

3.こんな子どもは低価格では効果が薄い!?

しかし、コマ数の少ない塾でも活用方法はあります。
それは、学校の授業のみでしっかり理解できる生徒です。

学校の授業だけで、8~9割の内容を理解できる、
そして学力補助として、難問のみ解説してくれて、
週1,2回の授業で事足りる、という生徒のみ
でしょう。

こういったコマ数の少ない塾を利用している生徒に、
クラブとの両立を考えた末、週1回に至った、
という生徒もいますが、残念ながらそういった生徒の
多くは、結果が伴っていない生徒が多いように思えます。

私の勤めている塾にもそうした生徒が多く転塾してきます。

スキマ時間を活用して成績向上できるのは、
能力の高いごく一部の生徒のみです。

中途半端なスキマを埋めるために、塾に通わせるのであれば、
その時間にゆっくり休ませてあげた方が効率的かもしれません。

4.保護者が考えるべき塾講師のクオリティ

そして最後に、個別塾に通わせる際に、
よく考えておかなければならないことを
お教えします。

個別塾は生徒と講師が多ければ1対4、
少なければ1対1で授業を行うのですが、
それだけの講師を正社員で雇えるコストは
どの塾にもないはずです。

そこでほとんどの塾では、大学生のアルバイトを
雇っています。

学生アルバイト自体は反対ではありません。
しかし、学生アルバイトが主体となって授業をする
塾に通わせる保護者は、学生アルバイトのクオリティは
人によって雲泥の差がある
ということを知っておかなければなりません。

私の勤めている塾では、卒塾生の中から、教育の道に進みたいという生徒や、
指導能力の高そうな生徒を選んで働いてもらっています。
個人経営の塾は、学生アルバイトの中でも指導能力が十分にあると
見込める人物を講師として選べます。

しかし大手個別指導塾では、それらはあまりできません。
結果、求人誌や求人サイトで学生を募ります。
そして、面接や学力テスト等で採用するのですが、
実際の指導能力を見られるわけではありません。

1人の生徒を素人が指導する場合と、
複数の生徒をプロが指導する場合、
どちらかが効果的か、しっかりと判断して、
通わせる塾を決める必要があります

まして、コマ数の少ない塾であれば、その間に記憶に残る指導ができるのか、
宿題をさせるモチベーションをどう保たせるのか、など
工夫を凝らす部分も多いでしょう。

それらを実行できる講師をあてがってくれるか、
また、講師に不満がある場合は、講師の変更が
可能かどうかも含めてしっかり考える必要があるでしょう。

まとめ

最初にも述べたように。最近はとにかく料金を下げて
低価格で通わせることのできる塾が増えています。

しかし形に残らない「勉強」だからこそ、
しっかりしたものを提供されるべきなのです。

家電などは安かろう悪かろうといいつつ、
手元にはモノがしっかりと残ります。

しかし、程度の悪い塾を選択してしまうと、
本当に何も残らない、という最悪の結果もあり得るのです。

私たちは大切なお金をいただいて、授業を提供します。
形に残らないからこそ、それを常に意識して、
どうすれば、心に残る授業ができるのかを考えています。

そして保護者の方はお金を払っているからこそ、
それを求めるべきだとも思っています。

勉強のことはわからないから…と言わず、
わからないことこそ、塾に聞いてみるべきでしょう!
それも一つの「勉強」だと思います。

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