私は集団指導塾の講師として勤務しています。
できればより多くの子どもに、良い教育機会を与えることができれば…
とこのブログを立ち上げています。
そして今回何か役に立てることはないかと考えたところ
勤めている塾でも問い合わせの多い個別指導塾の利用に
関しての疑問への回答という結果に至りました。
私は集団指導塾で働いていますが、個別指導塾に
ついてはよく考えます。
1対1だと本当に勉強の効率が良いのか、集団指導より指導の内容が濃いのか
といったことを真剣に考えます。
というのも、私の勤めている集団指導塾には
個別指導塾からの転塾が非常に多いからです。
今回は個別指導塾を否定的にとらえるのではなく
その個性をよく理解し、上手に利用できるための知識を
お伝えできればと考えています。
ぜひ参考にしてみてください。
1.個別指導塾の指導力
まず個別指導塾を選ぶ際には、指導力がどの程度あるのか、
というところを考えなければなりません。
これは、塾では少人数指導になればなるほど、
講師の数が必要になり、たくさん講師がいればいるほど
指導力にバラつきがあるからです。
個別指導塾の中には、アルバイト講師をほとんど雇わずに
正社員の講師が中心となって指導している塾もあります。
そうした塾には指導力のバラつきが出にくいため
塾としての指導力に関して、比較的見極めやすいです。
合格実績や指導実績からおおよそのレベルを
図ることができるからです。
しかし、アルバイトの講師をたくさん雇っている個別塾では
指導力を図ることは非常に難しくなります。
そもそも指導力はどのような場面で必要なのか、というと
新しい単元を教えるとき、あるいは、理解していない単元を
改めて理解させるときに必要になります。
つまり指導力は新しい単元を教えるときに
影響を与える、とうことです。
指導力が高い講師であれば、新しい単元を教えるとき、
生徒は高い理解度で理解することができますが、
指導力が低いと、生徒は、新しい単元をあまり理解できない
ということになります。
それは生徒の能力よりも講師の実力に依存します。
アルバイト講師をたくさん雇っている個別指導塾のように
指導力にバラつきがある塾に通わせる場合は、このような影響がある
ということを理解しておきましょう。
もちろんアルバイトの講師の中にもしっかりした指導力を
もっている人もいます。
大切なことはそうした講師に指導してもらえるようにすることです。
指導力の低い講師に当たってしまうと、塾に通っていること自体が
無駄になってしまうこともあります。
子どもから指導力に不満があると言われたときや、
いくら通わせても納得した点数に至らない
そうした場合は、指導した講師の質を含めて
指導環境の改善を考えるべきだと言えます。
2.少人数指導のメリット
個別指導塾は指導力のバラつきがある、
という特徴があるのですが、
メリットもしっかりあります。
このメリットを生かせる生徒は2パターンです。
1パターン目は、自己解決力のある生徒が利用する場合、
2パターン目は、集団指導では理解し辛いと感じている生徒が利用する場合です。
自己解決力のある生徒は、授業内容の理解は、
学校の授業で済ませられます。
しかしそれだけではテストの点数を伸ばすことはできません。
テストで点数を取るには、理解+演習が必要です。
理解したことが、実際の問題解決に結びついて
初めて安定した点数につながるのです。
そのための問題を解く演習として
個別指導塾を活用するという手段はあります。
これは講師の実力どうこうではなく、
監視者が居て、教室がある、という環境を
利用するということです。
個別指導塾は指導料もそこまで高くはないので、
こうした環境を整えるという意味であれば、
集団指導塾よりかは安く、そして効率的に
利用することができるといえるでしょう。
次に集団指導では理解し辛い生徒の場合というのは
生徒の能力上、どうしても集団授業では集中できない、
という生徒を指します。
多人数の前で話をする人の話をうまく聞けない、
ほかの生徒の話声などの環境音に慣れず授業に集中ができない
という生徒は思いのほかたくさんいます。
今までは、そうした生徒はただの出来が悪い生徒として
扱われてきましたが、実際はそうではありません。
集団指導では全く集中できていない生徒が、
一対一で指導をしたときにみるみる理解する、というケースは
決して稀ではありません。
授業態度はまじめだけれど、なかなか理解に結びつかない、
という生徒はそういったケースである可能性があります。
このような生徒は、個別指導塾で指導した際に、結果が
表れることが多いようです。
しかし、このような生徒を指導する際は、指導力の高い講師でないと
高いレベルの理解は得られないことを知っておかなければなりません。
それを理解し、生徒に合った講師を見つけることができれば、
効果的に個別指導塾を活用することができるでしょう。
これらのように生徒のニーズに合わせて効率よく利用できるのが
個別指導塾のメリットです。
無駄がない分授業料も安く抑えられます。
しかし、ニーズにキチンと合っていないと
安物買いの銭失いとなってしまうことも理解しておきましょう。
3.個別指導塾の活用術
個別指導塾のメリット・デメリットがある程度
見えてきたかと思います。
それらを理解したうえで、個別指導塾を上手に活用するためには
どうすればよいのでしょうか。
まずは、子どもの勉強ニーズを把握することです。
自分の子どもの理解力はどの程度なのか、
学校の授業で理解が追い付いているかどうか、
塾がないと、演習時間が確保できないかどうか、
など子どもの勉強ニーズを把握して、
個別指導塾が必要かどうかを判断しましょう。
学校の授業で理解が追い付いていない場合は、
まずは集団指導塾に入塾させることをオススメします。
集団指導塾で実績のある塾では、間違いなく学校以上の
クオリティの授業を提供してくれます。
そこで理解できるのであれば、その環境で勉強させるべきです。
いきなり個別指導塾に入塾させてしまうと
対面状況でないと理解できなくなってしまう可能性があるからです。
やはり今後のことを考えたときに、集団指導で理解できる能力は
身につけておいた方がよいと思います。
集団指導ではどうしても集中できない、という場合には、
個別指導塾を考えてみましょう。
そして個別指導塾を上手に活用するためには、
講師の指導力を把握しておかなければなりません。
そのために保護者は熱心に塾に訴えかけることが大切です。
塾としてはお金をいただいている以上は
できる限り質の高い講師を確保し、
質の高い指導を提供する義務があります。
そのために保護者が強く訴えることは決して間違いではないでしょう。
個別指導塾では保護者面談等は、指導者ではなく、教室管理者が
行うことがほとんどですが、もし、指導者と面会できない場合は、
指導してくれる講師に対しても話を聞ける環境を用意するよう訴えるべきです。
どんな商品でも、年間数万円かかるものであれば
商品の質をしっかり見極め、納得して購入すると思います。
これは塾の指導に関しても同じことが言えます。
個別指導であれ集団指導であれ、できる限り質の高い指導を
提供してもらうために、塾に対して話をすることは忘れないようにしておきましょう。
まとめ
個別指導塾は今や街を見渡すとかなりたくさんの教室があります。
それだけニーズが多く、必要とされていると考えることもできます。
一方で、一対一のほうが質の高い授業が提供されるのではないか?
というなんとなくの理由で入塾させる保護者も多いと考えられます。
しかし個別指導というのは簡単なようでものすごく難しいのです。
個別指導でしっかり教えらえる講師は集団指導でも指導できると
言われているほど、高い指導力が求められます。
そして指導力は、偏差値の高い大学に入学したからといって
得られるものではありません。
基本的には、わからない生徒の気持ちにどれだけ寄り添えるかに
よって決まります。
それは、講師の今までの勉強歴や環境によるのです。
つまり指導力の有無は実際に会って、話してみないと
判断しようがないのです。
それらをしっかり理解したうえでニーズに合った
個別指導塾、そして講師を見つけることができれば
経済的にも、時間的にもゆとりをもって
塾に通わせることができるでしょう。
もちろん生徒の個性によって、集団指導塾の方が
効果的に塾を利用できる生徒もいますので、
わからない場合はご相談くださいね。
個別指導塾の利用を考えている保護者は
参考にしてください。