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夏休み直前!宿題の効果を知って有効に利用しよう!

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昨今教育業界で取り沙汰される話題の中に「宿題の効果」があります。

これは「週刊事実報道」というメディアが「宿題に効果なし」と大々的に報道したもので、教育関係者を始め、保護者まで大きな影響を与えました。

この「宿題効果なし論」を基に本当に効果的な宿題への取り組み方について考えていきます。

1.宿題効果なし論

冒頭でも述べたように、「週刊事実報道」が宿題に効果なしと報道したことがメディアでも大々的に報じられました。
いまだに信じている人もいます。

しかし後にこの「週刊事実報道」の記事は元の情報を切り取り、恣意的に報じられた、いわゆる「フェイクニュース」だったことが明らかとなりました。

その経過はこうです。

週刊事実報道の内容

・報道の根拠はアメリカの神経学者であり、Duke大学教授のハリー・クーパー氏の論文
・クーパー氏によると宿題には効果がなくむしろ成績を下げるとのこと
・宿題は禁止すべき

といったものでした。

しかしDuke大学のクーパー教授の主張をDuke大学のページなどからきちんと紐解くと正しい事実が見えてきます。

クーパー教授宿題の効果の真実

・多すぎる宿題には効果がない
(2時間以上かかるような宿題)
・年齢が上がるにつれて宿題の効果は高くなる
・研究は進行中であり結論はまだ出せない

とのことでした。

週刊事実報道は某学習塾出資のメディアで今の教育システムを叩きまくっている情報誌なので、恣意的に報じたと考えるのが妥当でしょう。

教育に携わる者としては子どもたちが不信に思わぬように確かな情報のみを報じてほしいものです。

子どもは大人を信じて勉強しています。

その大人が学習意欲を削ぐようなことをしてしまっては、子どもたちが不憫です。

現役塾講師の私は宿題は、学力向上にとって効果的だと言えます

ただし、確実に効果的なものにするためには、教育者側の宿題の出し方、そして生徒側の取り組み方がとても重要です。

2.効果的な宿題とは

まず私が塾で生徒に宿題を出すことはほとんどありません。

なぜなら強制的に押し付けた宿題はほとんど効果がないと感じているからです。

自分から「やりたい」という意欲のある生徒にのみ渡すようにしています。

その際に、気を付けていることは以下の3点です。

・分量は少なめ、10分~30分程度で終わるもの
・授業で取り組んだ内容を思い出しながら解いていくもの
・自分一人の力で解き進めていけるもの

これらの点に気を付けて渡すようにしています。

ほとんどの人にとって、宿題というと「終わらせること」が目的となってしまいなんとなくで答えを書き続けてしまいます。

みなさんも子供のころを思い返してみると、宿題を無我夢中で進めているうちに気が付けば何も考えていない…という経験があると思います。

これはまさにクーパー教授の言う「効果のない宿題」です。

そうならないように、限られた分量で与えることがとても大切なのです。

3.夏休みの宿題はどうするか

塾だと、宿題は一日単位、長くても週単位で出すので、より効果的な宿題を与えることができます。

しかし学校の宿題ともなるとそうはいきません。

学校が選んだ冊子や、担当の先生が手作りした冊子(基本的には問題集のコピー)になるでしょう。

塾講師の目から見ても、これらの冊子は決して出来の良いものではありません。

しかし、これらの宿題も取り組み方さえ正しければ大きな効果をもたらします。

そのためにはまず宿題の「内容」を見なければなりません。

宿題の内容とは

・考えながら解く問題
・知識を問う問題
・暗記力を養う問題

この3つです。

それでは、これら3つの内容に分けて、効果的な取り組み方を説明していきます。

①考えながら解く問題

数学の問題や、英語の文章問題、国語の文章題がこれらにあたります。

つまり、知識として知っているかいないかを問うのではなく、与えられた情報から問題を解いていく、というものです。

もちろん多少の知識が必要なものもありますが、基本的にはパズルを解くようなもので、解法がわかれば、自然と答えに結びつくような問題がほとんどです。

これらは宿題の中で最も時間がかかります。

塾で宿題を出す場合はこういった宿題を出すようにしています。

時間をかけてじっくり解いていく必要があるので、解く問題数を事前に決めて、解けるまで取り組ませます。

塾や学校など限られた時間では、考える時間を潤沢に確保できないので宿題として家で考えるのに最適なのです。

そして大切なのは、答え合わせです。

なぜその答えになるのかという解法の根拠を理解することで、今後類似問題に取り組むときの大きな参考になります。

子どもだけの力だけで理解できないときは、保護者も一緒になって取り組むと、とても効果的なので、一緒にみてやると良いです。

②知識を問う問題

社会や理科の一般知識問題や、国語の四字熟語、慣用句、英語の熟語・連語・文法問題がこれらにあたります。

つまり知っているかどうかを問う問題です。

これらは考えていても仕方がないので、とにかく調べる!ネットを使っても構いません。

保護者が横から教えても構いません。

知らないことを知るのは勉強の根本なので、とにかく調べやすい環境を作ってあげ、自ら取り組めるようにしてあげると効果的です

時々横から余談でも話してあげると記憶に定着しやすくなります。

塾でもたまに余談を交えるときは、生徒の記憶に定着させたいときです。

例えば「焼石に水」の慣用句について「焼いた石を熱源として使う料理を食べたことがあるよ」というような実体験を話してあげれば強く印象に残ってくれるかもしれません。

③暗記力を養う問題

あまり好きな類の問題ではありませんが英単語を5回練習、漢字を3回練習などとにかく量で暗記させようという宿題です

これに関しては「一日に何ページ」と決めてやるしかありません。

4.学力向上以外の宿題のメリット

宿題のメリットは学力向上以外にもあります。

はっきり言ってしまえば、成績表の評価(内申点)に直結するという点です。

私の活動の中心である大阪の入試制度では、内申点が入試の得点の一部となります。

これは中学3年生の成績だけでなく、1・2年生の成績表の評価も含まれます。

大阪では絶対評価で通知表の評価を決める、とされているので、宿題などの提出物・授業態度などの点数が加算されなければ
評価を得られない
ということになります。

成績表の評価を得るために宿題をするというのは、あまり勧められる目的ではありませんが、確実に得られるメリットとして頭に入れておくべきでしょう。

さらに、夏休み明けの総合テスト(実力テストや宿題確認テストなど言い方は様々)がある場合は、そのテストでの得点を取りやすくなる、といったメリットもあります。

実際に勉強の実力をつけるには、学習したことを発揮すべきタイミングで発揮することにほかなりません。

それが「テスト」の意義でもあります。

テストという特別な場面で宿題で取り組んだことを思い出せれば効果的な宿題だったということです。

もしそれが成績につながるようであれば、なおさら宿題に大きな意味ができます。

5.夏休みの宿題はしっかり取り組むべき

以上の観点からやはり夏休みの宿題はしっかり取り組むべきです。

保護者や周囲の大人は、宿題を取り組みやすいような環境づくりや宿題の手助けをしてあげることが望ましいでしょう。

宿題代行業など教育倫理に反するような仕事がまかり通っていることには正直腹が立ちます。

大人が子どもに「ごまかし」だけを教えるようなことはあってはなりません。

正しい道で歩んだものこそが徳を得られる

そうあってほしいものですね!

当ブログでも宿題に関する質問などなんでも受け付けています。

わからない問題でもなんでもOKです。

お問合せ欄、Twitterからどうぞお気軽にお問い合わせください。

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