中学校にはいくつものテストがあり、
それが個人の評価につながります。
個人の評価、というと通知表を
思い浮かべる人がほとんどだと思います。
通知表の成績は、その学期間の授業態度や
提出物、試験で判断されるのですが、
実力テストはその評価の中に
入るのでしょうか。
私の勤めている塾でも
こうした質問が多いため、
わかる限りでお話ししていきたい
と思います。
1.実力テストとは
実力テストとは、
範囲が指定された定期テストとは違い
それまでに学習したすべての
範囲から出題される試験
です。
大阪府下の中学校では、
中学1・2年生では3学期に一回、
中学3年生では一年を通して五回行われます。
(一部例外校もあるかと思います。)
問題は各学校の教科担当教員が作成するため
難易度は各校バラバラになっています。
実力テスト実施の目的は、
学年全体としての理解度の確認。
入学試験に向けての実力向上
といったところです。
・範囲が指定されない、
・復習内容が多い
という理由から
平均点はガクンと落ちやすい
のも特徴です。
実力テストの点数がなかなかとれない
と言って悩んでいる生徒や
保護者の方もよく見かけます。
もしそれが成績に入ってしまい
通知表に影響してしまのであれば
しっかりと考えなくてはなりません。
まずはなぜ通知表の成績を
しっかりとらなければならないのかを
知っておきましょう。
2.通知表の判断基準
通知表の判断基準は
授業態度
提出物
定期考査
の点数によって各担当の教員が決定します。
今のところ大阪府は絶対評価で
点数をつけるということですので
今までの点数の高い順から○○%が成績5
といったつけ方とは異なり、
授業態度・提出物・定期考査の点数の合計が
○○点だから「5」というような評価方法
になっています。
私たちが生徒の通知表を見る限りは
テストの成績>提出物>授業態度の順で
重要になっているような気がします。
そしてそれプラス、チャレンジテストの成績が
反映されるということです。
つまり通知表の成績を確保するためには、
まずは定期テストの成績をしっかりとり
そのうえで提出物をしっかりと提出し
授業中は落ち着いて授業に参加すること
が求められます。
そこまでして成績表を重視する理由は
現在の入試制度にあります。
3.通知表の成績が大切な理由
現在の入試制度では、通知表の成績が
合格基準点の3割~7割を占めています。
入試の合格基準点は合計900点となっており
当日の点数が5科目90点満点で450点、
通知表の持ち点が、9科目5点満点で45点×10=450点
となっています。
受験する高校によって
当日の点数と通知表の点数の割合が
変化するため3割~7割という表現
となっています。
学校にもよりますが
平均的には合格基準点の半分近くを
占めているため、通知表の成績が
とても重要になっているのです。
端的に言えば、通知表の成績を
しっかりとっていなければ、
希望する高校を受験することすら許されない
ということにもなりうるのです。
(制度的に受験できないのではなく
合格可能性が極端に低くなるため
担任の教員の許可が得られない)
通知表の重要性がよくわかったかと思います
それでは、点数的にもなかなかとることが
難しい実力テストは通知表の成績に影響を
与えるのでしょうか。
4.実力テストは通知表に影響するのか
今までの経験上で言わせていただくと
「大きく影響することはないが
成績が下がった言い訳にされる」
といったところでしょうか。
例えば英語の定期テストで
平均90点取っていた生徒が
実力テストで75点くらいをとっても
授業態度をよくしておき
提出物をきちんと出していれば
ほぼ間違いなく「5」が取れています。
ただし80点~85点あたりであれば
「5」が付くかどうか微妙なところです。
そうしたタイミングで
実力テストの成績が75点くらいだと
「定期テストは頑張っているんですが
実力テストが…」と説明されてしまう
といった感じです。
正直なところ、実際の現場で
どうなっているのかは誰もわかりません
ただし、絶対評価と言いつつも
相対評価のときと、成績の割合や付き方は
さほど変わっていないため
教員の中でもある程度「5」の数などは
決まっているのかもしれません。
教員側もルールをいまいち明確にせずに
曖昧に説明しています。
実力テストが成績に直結するという人
もいれば全く入らないという人もいます。
「加味する」という曖昧な表現の人もいます
しかし一つ言えることは
高い点数を取ることに越したことはないが
大きく気にする必要はない、ということです。
特に、
中学3年生の1、2回目の実力テストは
ほとんどの生徒が入試や復習に
気が向いていないため、
意識的に受験できる生徒も少なく
平均点もあまり伸びません。
さらに、実力テストと平行して
定期テストの内容も進んでいるため
定期テストと同時に高得点を取ることは
至難の業といえるでしょう。
私としては
「まず定期テストをしっかりとること」
を伝えて
目の前のしなくてはならないことを
優先させるようにしてほしいですね。
5.実力テストで点数を取るためには
実力テストで点数を取るためには
「テスト対策」は無意味です。
実力テストのために、勉強をしても
予想ができない問題に対して
太刀打ちできるはずがありません。
できることは日々の積み重ねのみです。
1日10分の勉強から始めて
それを1日30分に、
そして1日1時間に成長させていく努力
をしなければ実力テストで点数を
取ることなどできません。
特に記憶がどんどんと
遠ざかっていく理科・社会は
そうした積み重ねがとても大切になります。
今は、毎日勉強するための教材が
充実しています。
私が紹介しているポピーや
中高生に人気のスタディサプリなども
気軽に勉強ができ、取り組みやすくなっています。
良い教材・悪い教材とありますが
大切なのは、日々目標を持ち、
毎日続けていくことです。
それを実行せずして
実力テスト云々言っても仕方がありません。
もし実力テストの点数が伸びないと
悩んでいるのであれば
そうした努力ができているかを
子どもと話し合ってみてください。
もしそれをする余裕がないのであれば
実力テストの結果については
大目に見て、定期テスト・そして通知表を
しっかりとれるように
頑張っていきましょう!
まとめ
実力テストは成績に入るのか
という疑問にお答えしようと
できる限り執筆してみましたが
いかがでしたでしょうか。
よく実力テストの成績が悪いと
志望校を受験させてもらえない…
と聞きますが、その最終判断は4回目
あるいは5回目の実力テストの結果であり、
1回目・2回目の成績では
その判断は下りません。
子どもが受験年度を迎え
焦ってしまう保護者の方も多いのか、
この時期にはそのような問い合わせも
たくさんあります。
しかし実力テストの点数は下がるのが
当たり前、それが本当に大きく影響するのか
どうか、塾や学校に問い合わせて、
冷静な判断ができるようにしてください。
塾講師の私が同じような質問をされると
間違いなくこういいます。
「大きな問題はありませんので、次の定期テストを頑張りましょう!」