塾に勤めている私が、常に考えていることが、教育機会の平等化についてです。
親の収入と子どもの学力は比例するという説を聞いたことがあるかと思います。
事実の一つとして受け止めていますが、それでいいはずがありません!
私の手で少しでも「教育機会の平等化」にお力添えが出来ないかと常に考えています。
その中で、自立学習ができる生徒を増やす、ということは、微力ながら私にできるサポートでしょう。
しかし、家庭用学習教材が増えているとはいえ、それで学力が大きく向上しているとは思えません。
そこで、株式会社新学社の学習用教材ポピーを取り上げることにしました。
実際にポピーは自立学習を助けるツールとなり得るのか、検証してみました。
この記事では、塾講師から見た視点で役に立つ家庭学習の教材中学ポピーを紹介しています。
中学ポピーは、教科書に準拠している問題集である。
ポピーとは全家研(全日本家庭教育研究会)、新学社が発行する、家庭学習用の教材です。
家庭学習用の教材はたくさんあります。
その中でもまず第一にポピーが気になった点があります。
それは、紙ベースでの自立学習のノウハウがある点、そして「教科書準拠」であるという点です。
最近はタブレットなどを用いた映像配信形式での自立学習教材が増えてきています。
本当に便利だと思いますし、これからはそういったものが主流になるんだろうな、という空気も感じます。
ただし、子どもたちの現状の学習環境からいえば、タブレットに頼った自立学習はまだまだ確立されていない、ということです。
長い時間勉強に触れ、勉強にかかわってきた講師や、勉才に恵まれた方なら、タブレット教材の便利さを高いレベルで実感できるでしょう。
しかし、それはあくまで勉強が身近な人にとって、の感覚であって、勉強を勉強としてしかとらえることができない中高生には、ただ「あるだけ」になってしまうと考えられます。(実際に自分が中学生の時に今レベルのタブレット教材があったからと言って、勉強に積極的になっていたとは思いません。)
だからこそ、自分の手で字を書き、勉強を進めていった形跡を紙という形で確認できるポピーに注目したのです。
そして教科書準拠という点についてです。
教科書準拠の参考書は市販されています。
しかし、正直なところ、市販されている参考書は、中学生向けのものに関していえばあまり優秀ではありません。
逆に市販されていない家庭学習用の教材もいくつかありますが、教科書にしっかり準拠して作られているものはあまり多くありません。
中学ポピーはその中でも「教科書準拠」と「実用性」を兼ね備えた学習用教材となっています。
塾講師の私から見れば、家庭学習に十分使える教材だと言えます。
なぜ教科書準拠がよいのか
大手進学塾などでは、教科書内容に触れることなく、独自の参考書などを出版し、それに基づいて指導する塾が多数を占めます。
確かに「高校入試」という観点だけでみれば、正しい一面もあります。
しかし、私はあくまで教科書準拠に拘っています。
なぜ教科書準拠なのかというと、”勉強とは深く頭に刻まれて、初めて勉強となる”と考えているからです。
自身の経験を思い出してみてください。
教科書の内容って意外と頭に残っていませんか?
私は中学校のときの英語の教科書の内容を深く記憶しています。
ちょうど中学2年生の1学期、教科書のLesson1の内容で、アイヌの文化に触れる内容がありました。
アイヌ人の登場人物が、主人公たちに“Irankarapte!”と声をかけるシーンがあります。
これは日本語でいらっしゃいませを意味するアイヌ語なのですが、私はなぜか、いまだにIrankarapteを忘れずに記憶しています。
道徳の教科書の沖縄の戦争の話、「わらびんちゃー、ひんぎりよー、ぬちどぅ、たから…」
ウチナーグチ(沖縄弁)で「子供たちよ、逃げなさい、命は宝…」という意味でした。
お母さんが沖縄戦で殺されてしまう瞬間に放ったセリフです。
このように自身の経験から、教科書で習ったことは、ずっと心に刻まれているのです。
それが今の勉強にも役に立っています。
興味の幅も広がりますし、偶然的学習にもしっかりつながっています。
このような理由から、教科書内容をしっかり勉強できる教科書準拠の参考書というのは、すごく有り難いものです。
ポピーの「教科書準拠」は、そういう意味でもオススメできる商材です。
中学ポピーの使い方を間違ってはいけない
教科書準拠で家庭学習に向いているポピーですが、ただ解いていくだけでは不十分です。
問題数が少ないわけではないですが、定期テストで350点以上(平均点70点以上)を目指すには十分とは言えません。
ポピーの構成を見てみましょう。
まずは、「教科書のまとめ」という基礎をチェックするページと「教科書のかくにん」という復習問題のページの二部構成が基本となっています。
それが4回ほど続いた後、「まんてんCheck」という総合確認ページという構成になっています。
この「教科書のまとめ」と「教科書のかくにん」ページこそ、ポピーの最も優秀な点です。
この優秀なページを一回で解き終えてしまっては非常にもったいないんです。
勉強の基本は「何回も繰り返すこと。」
定期テストまでに何回も繰り返しノートに解き、最終確認としてテスト前に直に記入していくことがベストな勉強方法です。
中学ポピーの基本的な使い方は、「繰り返し解くこと」なのです。
コピー機が家庭にある場合は、コピー機を使って何枚もコピーしてあげるとよいでしょう。(ベストな回数は3回だと考えています。)
もしコピー機が家庭にないときは、職場の許可があれば、職場でコピーして複製したものに記入させるのがよいでしょう。
東大に合格する生徒は、参考書を繰り返し3回は読むと言います。
繰り返しの効果は、じっくりと考える以上に効率よく頭に浸透します。
ぜひ一回で終わらせずに何度も何度もチャレンジしてみましょう!
その使い方で中学ポピーが持つ力を120%以上取り込むことができますよ!
講師がいない心配について
家庭学習の心配は講師がいないことだと思います。
分からなくなった時に、誰も頼ることが出来ない。
これが勉強のモチベーションを下げてしまう原因です。
よく「自分で調べなさい」と言いますが、「言うは簡単、行うは難し。」です。
そもそも自分で調べて解決できる能力を持っていれば、勉強のモチベーションは下がりません。
自己解決能力は勝手に身につくものではなく、周囲に育てられるものです。
「周りがどうやって解決しているのか」を参考にして、それを真似ていくことで少しづつ、自己解決能力が高まっていきます。
そのきっかけとして、まずわからなくなったときは親が手本となって解決することです。
家庭学習の魅力はそこにあります。
親子一体となって問題を解決していく姿勢は、勉強の本来の姿です。
子どもは無意識に親の真似をします。
親が必死に解決しようとする姿を見て、知らず知らずに自己解決能力が開花していくのです。
逆に親が子どもに任せ、匙を投げてしまっては、子どもも匙の投げ方を真似てしまうのです。
家庭学習は自己解決能力を教える場でもあります。
親子一体となって問題を解決していきましょう!
しかし、どうしても親が忙しいなどの事情がある場合は、担任の先生や友人を頼るのも良いでしょう。
本ブログでもお問合せのページを設けているのでお力になることができれば、いつでも相談ください。
フランチャイズの個別指導塾にいるアルバイト大学生よりは、親の力のほうがはるかに強い!
それを理解しながら、子どもの家庭学習に寄り添ってあげて下さいね。
まとめ:中学ポピーの使い方を知れば効率的に家庭学習ができます
中学ポピーは、塾講師の私もオススメできる教材です。
最新式のタブレット教材は魅力的な面が多い反面、子どもが何をしているのか、どう考えているのかを親が知ることはできません。
中学ポピーのように紙媒体であれば、常に確認可能です。
塾と家庭学習教材はライバルともいえる立場ですが、塾に通えない子どもがいることも考えれば、どちらが良いなどと言ってはいられません。
家庭状況に合わせたベストな学習を探している方、ぜひともポピーをオススメしたいと思います!
使い方を今一度確認して、間違いない使い方で、テストの点数をアップさせてくださいね。