現役塾講師が中学生と保護者を応援するブログ

がる塾

※本サイトはプロモーションを含んでいます

勉強方法

英語教育の改革に乗り遅れないために

更新日:

日本の英語教育は近年急速なペースで改革が進んでいます。

従来の読むに重点を置いた英語ではなく、
使える英語・伝える英語として、実践的な英語を
身に着けるための改革
です。

今回はその改革について、より認知を広めたいと
思いまして、記事に書き起こしてみようと思いました。

お子様の年齢によっては、英語が今までとは
違う授業が行われるので、知っておいて損はありません。

知っておくに越したことはないので、
まずは知識として備えておく、そして必要と感じれば
対策を講じるとよいでしょう。

 

1.改革の内容とは

冒頭でもお伝えした通り、今、日本の英語教育は
大きな変革期を迎えようとしています。

より実践的な英語を身に着けるための第一歩として
小学校3年生から英語の「必修化」、
小学校5年生から「教科化」が始まります。

「必修化」「教科化」とはどういうことでしょうか。

必修化とは、教科として扱われるのではなく、あくまで
英語の時間が週に充てられること
を言います。
よって教科書もなければ、成績もつきません。

教科化とは、教科として英語が追加されるので、
教科書を用いて、専任の教師が英語を教えること
となります。
もちろん成績もつけられます。

2017年現在は、英語は小学校5年生から「必修化」されています。
現状小学校で行われている英語は、外国人講師によるコミュニケーションに
重点を置いたものです。

そして中学校1年生から「教科化」され、「be動詞を用いた文法」など
言語としての英語の理解に進みます。
これはどの年代の方でも経験していると思うので、
理解しやすいかと思います。

簡単に言えばこれを繰り下げて、早期から英語教育を
行おうというのが今回の改革の肝ということです。

小学校3、4年生の期間で、ゲーム形式などで
楽しく英語に触れてもらい、
小学校5、6年生の期間で、現状の中学校1年生で
習う範囲までの英語教育を行う、
ということです。

中学校1年生の範囲というと、ちょうど過去形を用いた表現までです。
これを小学校5、6年の2年間に分けてじっくり
行うことで、英語の基礎の定着化を図ろうというのです。

さらに試みはこれだけにとどまりません。
従来であれば、授業時間は45分で1教科、
それをだいたい週3回行うことが一般とされてきました。

しかし、言語を日常に取り入れるために、この感覚は
非常に効率が悪いのではないかとされ、
45分×3回ではなく、15分×9回の構成、あるいは
15分×3回と45分×2回の合計5回
の構成にし、
毎日英語の時間を設けるという案も出されています。

日常的に英語の時間を取り入れることで
ことばとして英語を定着させようということですね。

これらが今回の英語改革案を簡単にまとめたものです。
それでは、これらの改革に対する世論は
どのようなものがあるのでしょうか。

2.改革への世論

まず第一に言われるのが、英語教育を早期化して
本当に英語の能力が上がるのか
という意見があります。

実際に現在、小学校5、6年生の英語必修化が
行われていますが、私の指導している学習塾の
子どもたちからの評判はあまりよくありません。

英語が書かれたカードを用いてゲーム形式で学習したり、
ペアを作って会話形式で英語の練習をするようなのですが、
参加意欲も低く、授業としてのまとまりが非常に弱いとのことです。

さらに問題なのが、中学校に上がったときに、
それらの経験をしっかりと活かしている生徒が
あまり多くないという点です。

中途半端な教育は本当に時間の浪費です。
通り過ぎていく景色のような、ただただ流れていくだけの時間に
大切な学習時間を削られるのは許しがたい事態です。

制度だけを整え、中身が空っぽになってしまわないためにも、
どこから講師を確保するのか中学生への指導から小学生への指導
へ変更するにあたって気を付けなければならない点

など細部まで議論を深めておかないと、中身の伴わない改革に
なってしまいます。

「総合的な学習の時間」で議論を深めずに現場任せにしてしまった結果
大幅な教育時間浪費が行われてしまったことは周知の事実です。

これを踏まえて、確実に英語能力を高めるための
議論を行うことを期待しています。

私たち自身も気になる部分は声を上げて、
訴えていく必要があるでしょう。

次に英語教育を率先して、母国語の能力に影響は出ないのか
という意見をよく耳にします。

現在、中学生の読解力は年々低下しています。
調査は以下のような問題例で行われました。

Alexは男性にも女性にも使われる名前で、
女性の名Alexandraの愛称であるが、
男性のAlexanderの愛称でもある。Alexandraの愛称は( )である。
A:Alex
B:Alxander
C:男性
D女性

これは埼玉県の戸田市で行われた問題の一例ですが、
正解はもちろん(A)のAlexです。

戸田市の市立中学校全校生徒340人に対する調査で、
正解率は何%だったとおもいますか?

……

………

…………

なんと45%です。45%。
…340人の45%ですから、153人です。
残り187人は間違えたということです。
解答別の選択率は、
B:12%
C:9%
D:33%
でした。

学年別の正答率も算出してほしいところでしたが、
それにしてもこの正答率には驚きました。

確かに英語能力の向上なんかより国語力回復が先なんじゃ…
と思ってしまいました。

英語を説明するのに日本語を用いるのですが、
その日本語を理解できないとなると
なんとも難しいのではないでしょうか…。

しかし国語力を高めるのは非常に難しいのです。
そもそも日本語自体が複雑怪奇にできています。
だからこそ、侘び寂や、もののあはれを感じるという
日本ならではの文化が発達したといっても過言ではありません

単純に語彙が多いということに加えて、漢字・カタカナ・ひらがなの
3種類の文字を用いていることがさらに複雑さを高めています。

単純に漢字を覚える時間だけでもかなりの時間が必要なのに加えて、
語彙の理解も進めていくとなるとかなり多くの時間が
必要になってくるのです。

確かに国語力の回復というのは英語能力向上以上に
率先して取り組まなければならない課題であると言えます。

しかし現状大きな改革案はありません。
というのも、言語能力はどうしても積極性がなければ
向上しないからです。

実際に朝の読書時間などを設けて、日本語に触れる機会を
増やす試みを行っている学校はありますが、
読むふりさえすれば時間は過ぎていきます。

映画やマンガ、ライトノベルが人気を増していく中、
多くの子どもは文字で感じるということは「めんどくさい」そうです。

やはり楽しくなければ学習は進まない。
学習が進む環境は「楽しい」「やらなければならない」という環境です。
しかし後者はとにかく否定されがちで、
現在は、楽しくのびやかに学習することが
理想だとされています。

そんなの代に、「やらなければならない」環境を
強いることは国の政策としては受け入れがたいのでしょう。

話題がずれてしまって申し訳ないですが、
日本で暮らしながら、両親も日本語で話し、
携わる人がほとんど日本語で会話する環境である以上、
日本語を軸として英語教育する以外に方法はありません。

そのためにはやはり読解力をしっかりと
身に着けていくことが大切なのではないでしょうか。

3.今お子さまのためにできることは

やはり保護者の方が気になるのは、自分に何ができるのか
というところですよね。

英語教育が最もうまくいく方法が最高の講師でも
教科書でも、根気強い勉強でもありません。

英語って楽しい!かっこいい!面白い!!
と思う環境で育つこと
です。

そのために保護者の方にできることは、
少しでも一緒に英語を楽しむことです。

勉強ができる家庭の特徴は、親子共々一緒に学んでいっている
ということです。

子どもだけが英語と関わっても、何も楽しくありません。
特に低学年の場合は、親との共感あっての楽しさです!

「お父さん英語苦手だからな~」
「お母さん英語なんかわからんわ~」

ではなく、

「このTシャツなんて書いてるかわかる?」とか
「あの歌の英語の部分なんて言ってるか知ってる?」とか
日常生活から一緒に英語に関わっていく姿勢が
一番の教育になるのです。

私自身英語の楽しさというのは常に日常に転がっていた気がします。

これは英語に限らず、どの教科でもそうです。
わからないことは一緒に取り組む。
そうすれば必ず勉強に対して少しでも前向きな姿勢が
現れてきますよ!
ぜひ実践してみてくださいね。

あ、最後にですが、もちろん英語教育を
受けさせることは悪いことではありません。

ただし子どもが嫌々ながら通っていては
まったくもって効果がないので、子どもが嫌がらず…
できれば楽しく通えるような教室を見つけてくださいね。



スポンサーリンクダブル

スポンサーリンクダブル

にほんブログ村 教育ブログへ 
応援よろしくお願いします!

-勉強方法
-, , , ,

Copyright© がる塾 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.