塾の仕事は生徒の成績を上げることです。
しかし保護者の方の中には、塾に行かせたのに
成績がほとんど上がらない!という結果に
なっている人もいるかと思います。
今回は塾に通わせているのに成績が
上がっていない場合の原因と対処法に
ついてお伝えします。
目次
1.塾に通っているのに成績が上がらない原因
塾に通わせると成績が上がる
それは消費者として当たり前の考えですし
塾側はそれをしっかり遂行しなければなりません。
しかし塾に通わせたのにも関わらず
全く成績が上がっていない…ということがあります。
成績が上がらなければ塾に通わせている意味が
ありませんよね。
まずはなぜそうなってしまうのか、原因を
教えましょう。
◎演習不足
成績が上がらない場合のほとんどが
塾側の演習不足が原因です。
塾講師と仕事を”教えること”と思っている方が
多いと思いますが、正直言って授業という意味での
”教えること”は塾講師の仕事の10%程度だと思います。
塾講師の仕事の大半は授業準備と
生徒に演習をさせることです。
どれだけ優秀な授業を行っても、生徒がそれを吸収し
得点に結びつけるようになるには、問題を解くという
経験をしなくてはなりません。
その機会を与えるのが塾講師の仕事です。
私の現在の勤務している塾では、在籍生徒の約60%は
定期テストの5教科合計400点を上回っています。
それはまさに演習の賜物です。
練習に練習を重ねます。
同じ内容のテキストを少なくとも3回以上は
演習させるように心がけています。
そして心に誓っていることは
安易に宿題を出さないということです。
宿題というと聞こえは良いですが
講師である私の監督していない場所で
問題を解くことになります。
最悪の場合、答えを友人に教えてもらう可能性もあります。
そうした場合、演習不足となってしまい
塾に通わせても点数に結びつきません。
もちろん個人差はありますが、ほとんどの中学生は
何回も問題演習をすることが点数を解くために
必要であることは間違いないと言えます。
もし塾に通わせているのに成績が上がらないのであれば
問題演習がキチンとできているかを確認してみましょう。
◎指導力不足
塾としては致命的ですが、成績が上がらない原因
として講師の指導力不足が挙げられます。
一番問題なのは、授業での指導力が低いことですが
集団指導での指導力が低い塾講師というのは
案外いないものです。
塾によっては集団授業を行わない塾も多くあります。
ですので、集団授業の指導力…という意味では
当てはまる状況は多くないと思います。
しかし、指導力とは集団授業のみ
求められるものではありません。
前項で問題演習が大切と言いましたが、
問題演習の後のフォローが成績向上
のカギとなります。
なぜ間違えたのか、どうすれば正解できるのか
そのミスから他にどのようなミスが考えられるか
など指導できることはたくさんあります。
指導力の足りない講師だとその解法と答えのみ
にとどまる場合がほとんどです。
それに伝え方も大切です。
大事なところははっきりと繰り返して
という当然の伝え方ができない講師もいます。
このように指導力が低いと、問題演習をしていても
成績が上がらない場合があります。
◎そもそも生徒側にやる気がない
塾というのは、講師と生徒の二人三脚ができて
初めて100%の効果が得られるものです。
講師側だめにやる気があっても
生徒側だけにやる気があっても
成績はあがりません。
いくら講師が熱心に教えても生徒に聞く意思が
なければ何の意味もないのです。
問題演習も塾側が熱心にさせても
生徒側にやる気がなく
ただ惰性で解き続けるだけになると
効果が得られなくなります。
生徒が能動的に勉強したいと
思わせることも塾の仕事の一つでは
ありますので、塾側・生徒側の双方ともに
モチベーションを保てているかの
確認はすべきだと言えるでしょう。
2.塾に通っても成績が上がらないときの対処法
◎懇談
この場合の面談は、子どもとの面談
塾との面談のそれぞれを指します。
成績が上がらないときは、客観的に状況を
把握すべきです。
原因を特定しなければ効果的な対策が取れません。
まずは子どもと学習について話し合って下さい。
その際に
①点数を取りたいという気持ちがあるか
②塾に不満はないか
③子どもとしてはどうしたいか
を尋ねるようにしましょう。
①については、まずこの気持ちがないと
成績があがらないため。
②については、子ども目線から見た塾への不満を知るため
③子どもがしたいことをさせてあげるのが
最も効果的であるため、納得できる答えであれば
そうしてあげるのがベストであるため
という理由から上記の質問が必要です。
そして子どもとの面談が終われば塾への面談です。
その際は
①子どもの勉強への姿勢に問題は無いか
②問題演習がキチンとできているか
③成績があがらない理由をどう考えているか
を尋ねるようにしましょう。
①については、子どもの勉強意欲と照らし合わせ
双方の言い分に食い違いが無いかを知るため。
食い違いがあれば、どちらの言い分が正しいのかを
検証してみてください。
②は問題演習をキチンと行わせているかを知るため。
宿題という形で子どもたちにまかせっきりで
塾は演習をしっかり行っているかどうかを
把握していないケースも多くみられるため
しっかり確認してください。
③については、正直なところ塾講師としては
成績が上がらない理由をある程度把握できています。
逆に把握できていないのであれば塾としては
不十分と言えるでしょう。
正直な塾の意見を聞いてみて下さい。
これら2者の意見を参考にして
成績が上がらない理由を出来る限り掴んでください。
そしてある程度原因が見えてくれば
続けて通わせるのか、転塾するのか、退塾するのかを
選択しましょう。
続けて同じ塾に通わせる場合は
本人のモチベーションがしっかり保てるかどうか
塾としての今後の対策をどう講じるのかを
子どもを交えてしっかりと話し合いましょう。
子どもが考える以上に面談などの話し合いは
大きな効果をもたらします。
こうした面談後にすっかり態度を変える生徒も
珍しくありません。
子どもとしても成績が上がらない状況に
悩んでいるときに、何をすればよいか、
という具体的な目標を立ててあげると
モチベーションがあがるのだと思います。
◎転塾
子ども、あるいは保護者が塾に対して
不信感を抱いたり、信頼できないのであれば
転塾や退塾すべきです。
ただし入塾すぐの退塾はオススメできません。
塾としては成績があげるために、少なくとも
3ヶ月は欲しいのです。
(理想としては半年ほどですが…)
例えば4月に入塾させて、5月末の中間テストの
結果で退塾させるのは時期尚早と言えます。
7月に行われる期末考査まで様子を見るように
すると、塾の実力がはっきりと見えます。
4ヶ月以上たっているにもかかわらず成績が
あがらないのであれば、転塾・退塾を
検討しましょう。
そして転塾先を決める際は、子供の意見を
しっかりと尊重してあげて下さい。
「友達が通っている」など子どもの意見は
大人からすると関係ないと思うかもしれませんが、
勉強に対して前向きになるためには、
そうした意見を取り入れてあげることも大切です。
そして転塾先には、前回の塾で成績が上がらなかった理由
(保護者の方が考え付いた理由でかまいません)
をしっかり伝え、対策を講じてもらってください。
◎退塾
もう塾には通わない、という選択肢もあります。
まだ小学生や中学1年生くらいだと、
精神的に幼かったり、クラブとの
両立が難しいという状況もあるでしょう。
塾に通うと成績が…と考える方も
多いと思いますが
最近は家庭用の学習教材も
随分よくなってきています。
下記リンク参照
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兄弟や親せきなどがいれば、様子を見てもらいながら
学習教材で家庭学習という方法もあります。
どうしても塾が辛い…という子どもには
そうした方法があるということも
頭に入れておいてください。
まとめ
塾に入れても成績があがらないと
塾に通わせている保護者からすると
せっかくお金を払っているのに…
と思ってしまうでしょう。
まずは慌てずに、子どもと塾にしっかり
話をきいて、子どもの気持ちを満足させる
対策を講じてあげましょう。